みなさんは『バ帽』を知っていますか?
バ帽はお笑いコンビ・バナナマンのライブグッズで、カタカナのバの文字だけが刺繍してある帽子です。
正式名称は『バ CAP』なのですが、バナナマン本人もバ帽と読んでいるためその名前が定着しています。

バ帽は店頭や通販では販売しておらず、毎年開催されているバナナマンのコントライブ会場でのみ買うことができます。
ただ、ライブグッズ自体の競争率がハンパなく高いため、バ帽自体もとても手に入りにくいアイテムとなっているのです。
そんなバ帽ですが、コロナの影響で去年からライブが開催できないため、なんとオンラインショップで買えるようになったのです!
これまでライブに行けず、バ帽が買えなかったファンたちも「オンラインでなら手に入る!」と販売開始前は期待したのですが…。
いざ蓋を開けてみると、やはり人気過ぎて買えないのです。
2020年は発売開始から20分で完売。2021年もたった8分で完売しました。
あまりの人気ぶりに購入できない人が続出。
SNSでもバ帽が買えなかったファンたちの落胆が多数見受けられました。

そんなぼくもバ帽が買えなかったファンのひとりです。
去年は完売しているとは知らず、販売開始の数日後にオンラインショップを覗いたので買えませんでした。
その後に即完していたことを知り、「次回は絶対に買ってやろう!」と意気込んでいたところに今年の販売がやってきたのです。
しかし、いざ当日になると販売日だということをすっかり忘れていて、オンラインショップを覗いたのは販売開始から2時間経った後でした。
もちろんバ帽はすでに完売していました。
『今年も買えなかったことへの落胆』
『販売開始時間を忘れていたことへの反省』
『バナナマンの人気の高さへの驚き』
完売という現実を目の当たりにした瞬間はそんな気持ちになりましたが、時間が経つにつれ今度は怒りの感情に変わっていきました。
「去年の販売実績を見て人気とわかっているのになぜ販売数を増やさないのか!?」
「買えないファンを作ってまでグッズのレアさを保ちたいのか!?」
「受注生産にすれば欲しい人全員に行き渡るのに!」
そんな運営への怒りが頭の中を支配していきました。
もちろん販売開始時間を忘れていたことは棚に上げて。

運営への怒りはありますが、やはりバ帽が欲しいという欲求はおさまりません。
なので今度はどうすれば手に入るか考えます。
去年もなかったから再販の可能性はないな。
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でも今からではフリマやオークションで定価以上の値段で買わないといけない。
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それはなんか悔しいのでヤダ!
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でも手に入らないとわかると尚更欲しい!
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ではどうすればいいか?
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じゃあ自分で作ればいいじゃん!
と5分ほど考えた結果、自分でバ帽を作ることにしました。
なぜ『バ』から『パ』に変えたのか?
それには2つの理由があります。
ひとつ目はその方がおもしろいから。
バ帽を知っている人がこのパ帽を見たら、
「あ!バ帽だ!」
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「いや、よく見るとバじゃなくてパだ!」
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「じゃあなんだあの帽子は!?」
ときっと思うはずです。
普通のバ帽なら最初の驚きで終わってしまいますが、パ帽ならさらに相手を驚かせて困惑させることができます。
その静かな過程を味わいたいのです。
結果的にバ帽を知らない人が見ても、アホみたいな帽子を被ったおっさんということで困惑するとは思いますが…。
ふたつ目は、ヘコヘコしたくないから。
自分でバ帽を作っても所詮それは偽物です。
たとえ他人は気づかなくても被っている本人はそれが偽物だと知っています。
小心者のぼくが偽物のバ帽を被ったら、自分は偽物を被った偽物野郎だと考えてしまい勝手に罪悪感を抱くはずです。
そして偽物のバ帽を被っている間は、いつ偽物だとバレるか怯えながらヘコヘコ過ごすことになるでしょう。
パという文字には、ぼくのニックネームであるぱんちの頭文字の他にパチモンの意味も込めています。
バ帽の偽物は嫌ですが、自らこれはバ帽のパチモンですよ!と開き直ることで、ぼくの場合は逆に堂々とすることができるのです。
以上がパ帽ができるまでの経緯です。
結果的に運営への怒りのエネルギーが今回のパ帽作製につながりました。
パ帽を作るぞ!と決めてからの流れは以下の通りです。
バ帽と同じタイプの無地のニューエラキャップをオンラインショップで購入。
購入したのは、9FIFTY ベーシックのネイビーとブラックの2点です。

友人の刺繍屋さんにキャップとバ帽の画像を渡して、このバをパに変えて刺繍して欲しいと依頼。
そして1週間ほどして完成!

キャップ購入から完成まで2週間ほどしかかからなかったので、とてもサクサク進みました。
はじめてパ帽を見た時は、そのクオリティの高さとパのアホっぽさに驚きました。
こんなふざけた仕事を受けてくれた友人に大感謝です。

パ帽を作ってみた手前、これを被って人前へ出ることにまだ恥ずかしさはあります。
ですが、これから人目が気にならなくなるほど被って、コイツをぼくの愛帽にしたいと思います!